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Channel: ひまわり博士のウンチク
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『アジア記者クラブ通信』264

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「パレスチナとイスラエル」
 本号で注目したのはパレスチナとイスラエルについての記事だ。
「イスラエルの子供たちは教育と軍事訓練で洗脳される」では、イスラエルの子供たちが幼少時から教育でパレスチナへの憎悪を叩き込まれている。これはかつてのナチス・ドイツや日本の戦時教育に共通する。
 かつてユダヤ人がシオニズムの名のもとに、シオンの丘に建国するためヨーロッパからパレスチナに渡り、パレスチナ人が住む土地を侵略した史実についてはまったく教えられず、逆にパレスチナ人がイスラエルを侵略していると教育される。イスラエル軍が猛烈な爆撃でガザを攻撃するのは、“正当防衛”だというのだ。
 しかし、「殺害されているのは圧倒的にパレスチナ人だ」では、ハマスが掘ったイスラエル側に通じるトンネルが“脅威”だとして、それがイスラエルの戦争遂行の理由となっていることを語る。しかし、そのトンネルを悪用しているのはイスラエル側である。その証拠に、7月8日以降、7月末までの死者は、パレスチナ側が1101人であるのに対し、イスラエル側はわずか58人である。ハマスのロケット弾がイスラエルに1発着弾すると20発の爆弾が落とされる勘定だ。犠牲者の多くに幼い子供も含まれている。
 以前、何かの集まりで、フォトジャーナリストの土井敏邦が、「パレスチナ人もイスラエル人を殺してるじゃないかという人がいるが、規模がまったく違う」と言っていた。
 
「迫るカジノ解禁とギャンブル依存症」
 8月の定例会のテーマはカジノ解禁問題である。
 沖縄の仲井眞知事が普天間基地の辺野古移設を承認する引き換えに、本島北部振興のためにカジノ建設の約束を取り付けたことは、本土ではあまり知られていない。
 現在、19の自治体がカジノ誘致を計画または検討中であるが、これもまた大手メディアが報道しないのでほとんど周知されない。ただでさえ世界有数のギャンブル大国である日本は、ギャンブル依存症患者の数もトップクラスである。そのために借金地獄に陥ったり、横領、詐欺などの犯罪行為におよぶものも相当数におよぶ。しかもこれは本人だけの問題ではなく、周囲の人々を巻き込んだ重大問題に発展する社会問題である。
 カジノの実態についての研究はまだ始まったばかりであるが、この問題と真摯に向き合い解決の手段を探る静岡大学の鳥畑教授と、ギャンブル依存症に関わるサラ金・クレジット被害の撲滅活動に携わる吉田哲也弁護士からお話をうかがう。
 私は、この問題をこれまでさほど重視していなかったが、はじめてお二方の話を聞いたときに愕然とした。集団的自衛権や原発再稼働、沖縄の基地問題など、国家的な大問題の陰に隠れていつのまにかすすめられている理不尽なカジノ賭博場解禁が、絶対に見過ごすことのできない問題であることを確認した。

 講演会情報は以下。(*クリックで拡大。A4サイズ)
 
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